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印刷物に最適な解像度について当店の看板ポスターを張替えて実証してみました!!

実際に大判印刷して比較!!解像度と印刷物の大きさ、そして見る距離の
関係について実証しました!!

当店に寄せられる質問で群を抜いて多いのは解像度についてです。
これまでもソクプリブログやこの知識の泉で何度も解像度について説明してきましたが、今回は解像度と印刷物の大きさ、見る距離の関係について実証していきたいと思います。

適正な解像度とは?

皆様がよく手にするであろうチラシ印刷と比べポスターとでは求められる解像度は異なります。チラシであれば300ppi〜350ppiが適正といわれることが多いのに対してポスター印刷の場合は印刷会社によっても様々ですが当店では過去の記事でB0(1456mm×1030mm)なら120ppi〜200ppi程度、A1(841mm×594mm)なら200ppi〜300ppiと案内しています。

  • A4 300ppi〜350ppi
  • A1 200ppi〜300ppi
  • B0 120ppi〜200ppi

なぜ同じ印刷なのに求められる解像度が違うのでしょうか・・・。
大きく2つの理由があると考えます。

理由その1 見る距離

理由一つ目は、見る距離です。
チラシ(A4サイズ程度)は手に取って見ることが多いですね。小さな文字も多いと思います。だから見るときはだいたい手にもって見る距離の20〜50mmくらいではないでしょうか。そうなると細かなところまで確認できるので解像度が低いと荒さが目立ったり小さい文字は潰れて読めなかったりします。

一方ポスターの場合はB0くらいの大判サイズの場合、アイキャッチ的な目的で遠くからでも見えるように、目立つようにする目的があります。ポスターを見る距離も比較的遠いと考えられます。駅貼りのポスターなどでも想像してみて下さい。近くても1mくらい、遠ければ10m以上から見ると思います。その場合は視力にもよりますが、細かなところまで見えないので解像度が低くても差し支えないと考えます。

文字でいえばA4チラシの場合は小さめなら6pt程度の文字サイズを使用することはありますが、B0ほどのポスターになればそんなに小さな文字を使用することは希でしょう。ポスター自体が大きいので小さな文字は読みにくいですし、そんなに小さな文字を使う必要のある情報量であれば、ポスターとしてなかなか目を通してくれないと思います。
※ちなみに6ptの文字というのは一文字が2.12mm前後の大きさです。

理由その2 データの容量

もう一つの理由として、データが重くなりすぎるということです。
A4サイズ(210mm×297mm)のサイズで解像度を350ppiにすれば30MB程度ですがB0サイズ(1030mm×1456mm)になれば800MBを超えることになります。
データ容量が大きすぎるとデータ制作時にPCが固まったり、印刷時の解析に時間がかかったり、稀に処理しきれずに印刷ができない場合があります。

以上を考慮するとそれぞれのチラシの様なA4サイズ、大きめのポスターのB0サイズ等、サイズに合った解像度の設定をするといいでしょう。
しかし、いくら大きなサイズといえど120ppiと350ppiでは近くで見比べると実際には350ppiのほうが綺麗なので悩ましいところです。

飲食店のメニューなどの場合、店頭に掲示するものはB1サイズ(728mm×1030mm)程度のものもありますが、個人的には300ppi程度の解像度にしたほうがいいと思いますし、明らかに遠くからしか見ない。細かなところは気にならないというポスターであれば200ppi以下、内容によっては120ppi程度でもいいと思います。

5種類の解像度を比較!
大判印刷して検証してみました!!!

ということで解像度の設定には悩むところがたくさんありますが、参考になればということで当店の看板シートの張替えの機会があったのでそれぞれ場所によって解像度を替えて大判印刷してみました。

低い解像度では10ppi〜高い解像度で300ppiまで5種類あり、大判印刷して貼り付けたものを撮影しましたので参考にしていただければ幸いです。

データはこちらです↓↓↓

右側の看板の掲示サイズは4298mm×2700mm(一部変形)で、縦に4分割してそれぞれ解像度を変えました。
左からA4サイズやA2サイズなどでも推奨とされる300ppi
次に、いきなりどーんと下げて50ppi
そして24.82ppi
そしてそこから解像度を落とした10ppiとなります。
※データに表記されている単位にppiとdpiが混在していますが、今回は1ドット=1ピクセルとしています。

24.82ppi?なぜそんな中途半端な解像度か

元の画像のピクセル数が4200px×2790pxで、これを看板の掲示寸法の幅4298mmにすると24.82ppiになるからです。解像度の計算式はこちらをご覧ください。要するに元画像より解像度を変えずに実寸サイズに拡大したと言うことになります。

※結果として元画像の解像度から10倍以上上げる300ppiは300ppiとしての画質のクオリティにはならないということは考慮してください。

左の看板はもともとWebの標準と言われていた72ppi※1にしてみました。
※1 現在はRetinaディスプレイを初めとする高精細なディスプレイやスケーリング技術があるので一概には言えなくなってきました。

ということで印刷結果を見ていきましょう!!

〜印刷結果比較編〜

300ppi

元画像の解像度が看板のサイズに拡大すると24.82ppiということもあって、300ppiにあげても細かなところはぼやけた感じになっていますね。

72ppi

近くで見ると細かな部分は繊細な印刷とは言えませんが、もともの画像もそんな感じで300ppiとそんなに大差はないと思います。欲をいえば綺麗な印刷とは言いがたいかもしれませんが大判印刷であることを考えれば、なんの違和感もないと思います。

50ppi

300ppiでの大判印刷内容と比べるとジャギジャギ感が出てきました。しかしこれでも大判印刷である事を考えれば、そんなに違和感はないと思います。

24.82ppi

元解像度です。流石に24.82ppiはジャギジャギが目立ちます。

10ppi

近くで見ると荒いですし、ちょっと離れて見ても荒いです。

正直24.82ppiは近くで見てもまだ、許容範囲かなと思いましたけど、10ppiまで解像度を落として近くで見ると、え?と思うくらいジャギジャギです。

〜見る距離比較編〜

じゃじゃーん!!
おおよそ2m〜5mくらいはなれての撮影です。
300ppiと24.82ppiは違いが判断できないです。
そして先ほどえ?となった10ppiの印刷もなにも言われずに見れば違和感はないと思われます。

10m程度離れてからの撮影です。
全ての大判シートが綺麗に見えます。
10ppiでも十分綺麗ですね。

10ppiは近くで見ると流石に荒いと思いましたけど離れてみることで綺麗な写真に見えますね。
ポスター印刷の常識では24.82ppiでもかなり荒いと思いますし、ましてや10ppiまで落とすとは考えられないと思ってましたが遠く(数メートル以上)から見る大判印刷で小さな文字がなければ、意外に許容できる範囲かもしれませんね。

ポスター印刷まとめ

解像度は奥が深い!

いかがでしたでしょうか。今回は当店が体(?)を張って大判印刷したポスターを看板に貼り様々な解像度を実証してみました!大判ポスターですと少し離れたところから見る事が多いので、データの制作時の快適さも考えると200ppiもあれば問題ない事が多そうですが、こうして解像度への理解が深まると、印刷内容や仕上がりサイズ、見られる想定の距離によって検討してみるのも面白いかもしれません。 この記事の内容が皆様の「こだわりの一枚」にお役に立ちますように!